アンネの日記、初版本(昭和26年発行)。
小学校の頃に読んだ本は、子供向けに
かなり美化されて、ドラマチックに
書き替えられていたのがわかった。
…が、隠れ家での生活はやはり想像を絶する。
閉鎖された空間での、共同生活がいかに大変か。
狭い空間では誰もがイライラしやすい。
共同生活者の欠点が見えてきて、嫌いになっても、
離れるわけにはいかない。
情勢が悪くなり、生活の不便さから苛立ちを隠せない大人たち。
自分も決してクリアとはいえない気持ちを抱えて、
それでも自分の勉強をするアンネ。
お父さんと一緒にフランス語を勉強してるのよ。えらい!
アンネ、気の強い女の子だったんだなー。
お母さんと時々衝突している。
こうだと思ったら絶対曲げない、頑固さがある。
ティーンエイジャーらしくて、かわいらしいです。
届けてもらう物資も、十分でないときも多々あったようです。
それでも、各住人の誕生日には、みんなで精一杯の贈り物を作ったりして
祝いあっているのが、印象的だった。
物理的にものが充足しなくても、
「おめでとう」という慶びの気持ちだけで、お祝いはできるんだ。
窓をあけて、新鮮な空気を吸い込むこともできない。
気分が暗くふさぎ込んだときも、思い切り体を動かせない。
それでも、小さな喜びを見つけてそれをいとおしみ、
「いつか、きっと、私は〜になる!」という希望を持ち続けて
あきらめなかった姿勢にはやはり胸を打たれる。
ジャーナリストになりたいという夢を、かなえてほしかった。
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